夜間排尿や足腰のだるさむくみを感じる方によく使われる牛車腎気丸
筋肉や骨に栄養が不足してしまうと、漢方の考えで「気」「血」のめぐりが悪くなって、その後、冷えや水分不足などに対しても悪影響を及ぼすため、足腰の痛みやむくみ、頻尿や尿漏れといった症状に発展してしまいます。
そのような際に使用されることが多い、漢方薬である牛車腎気丸をよりわかりやすく解説していきます。
牛車腎気丸ってどんな漢方?
牛車腎気丸という漢方は、「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」に「牛膝」と「車前子」の2つの漢方が加わったものです。
配合されている生薬としては、地黄(ジオウ)、牛膝(ゴシツ)、山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、車前子(シャゼンシ)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子(ブシ)
牛車腎気丸は頻尿、尿漏れ、足腰の痛みなどで悩んでいる方向けの漢方薬で、筋肉や骨に対しての必要な栄養を与え、体の水分の代謝(新陳代謝)を改善する働きのある八味地黄丸という漢方薬をベースに、牛膝(ゴシツ)と車前子(シャゼンシ)をプラスされているところが特徴となります。
このくわえられた2つの生薬の働きとしては、痛みや利尿促進といったものに対して効果があり、「八味地黄丸」よりもそのような症状に対して使われることが多いといわれています。
効果
牛車腎気丸の効果効能は、下肢痛(椎間板ヘルニアなどを代表的なものとする腰椎疾患由来のものが多い)、腰痛やしびれ、かすみ目、かゆみ、むくみといった足腰中心に処方される漢方です。
さらに頻尿、尿漏れ、排尿困難などの尿関係の症状に対しても処方される。
疲れやすくて、疲労感が抜けない方、四肢が冷えやすく、尿の悩み、口渇といった方に対して処方される働きがあり、高齢者の方で西洋医学よりも東洋医学を希望される方にも処方される傾向があります。
用法、容量
用法容量に関しては医師や薬剤師の指示をしっかりと守るようにしましょう。
なお、小児に服用させる場合は、保護者の指導監督のもと、なおさら用法容量だけではなく、飲むタイミングなどにも注意してあげるようにしてください。
用法容量での注意点に関しては、八味地黄丸のページで説明したものと同じものとなります。
副作用と注意点
牛車腎気丸は、
- 妊娠中、または妊娠していると思われる方
- 胃腸が弱く下痢をしやすい方
- 他の病気などで薬を服用されている方
- 今まで処方された薬などで発疹、発赤、かゆみなどを引き起こしたことがある方
などは、薬を服用される前に医師や薬剤師さんに相談してください。
なお、妊婦さんに関しては使えないというわけではなく、服用期間やママの状態、赤ちゃんの成長段階などトータルで判断しなければならないため、市販の牛車腎気丸を購入する場合でも薬剤師さんにしっかりと相談し、必要ならば医師にも相談するようにしましょう。
牛車腎気丸の副作用は、発疹・発赤、かゆみ、消化器官の食欲不振、腹痛、胃の不快感、吐き気、下痢、そして動悸やのぼせ、したのしびれといったものが報告されています。
西洋医学のクスリよりも副作用が少ないといわれている漢方ですが、薬である以上多少の副作用はあるといわれています。
先ほどの副作用を感じた場合は、すぐさまかかりつけのお医者様に相談するようにしてください。
効果が出るまでの期間
効果が出るまでの期間は、個人で差があるのですが(年齢や体重、症状の重さなど)目安としては1か月間は既定の用法容量を守り服用するようにして、それでも効果が感じれない場合は服用を中止して医師や薬剤師さんに相談するようにしましょう。
飲み合わせ
特に「附子(ブシ)」(真武湯などに含まれる)を含む漢方薬などと一緒に飲む場合、単体ならばいいのですが、双方の漢方に重複して「附子(ブシ)」が配合されているため飲み合わせに気を付けなければなりません。
また他の漢方薬と同等にアルコールやコーヒーやジュースといった水(白湯含む)以外の水分で服用することは避けるようにしましょう。
副作用というわけではないのですが効果が薄くなる可能性があるため、飲み合わせという意味においても注意してください。